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亡き母からの「贈り物」

執筆者の写真: 唐木 仁美唐木 仁美

2021年は私にとってまるでジェットコースターに乗っているかのような一年でした。

中でも大きく残っている母の出来事を書かせていただきます。



・・・



2021年9月、夫と北海道旅行の最中、弟から連絡がきた。

「母さんが亡くなった、すぐに帰ってきて」と。


母が亡くなった?


すぐには信じられない私。

夫が飛行機を手配してくれて、大阪の実家へ向かった。



小さな商店をやっていた母、

いつも開く時間になっても気配がないので

心配した弟がカギを開けて入ると

中で倒れている母を見つけました。



84歳でしたが、毎日お店を開け、近所の方と楽しく暮らしていた母。


本当に突然のことでした。



葬儀にはたくさんの方が来て下さり、

母がどんなに地域の方に愛されていたのかを知る機会になりました。



そして、思い出したんです。

母はコミュニケーションの天才だったと。



子どもの頃不思議だったのは、

母はお客様に進めるとお客様がみんな買って帰る。

母に進められると断る人がいない。

この様子を見て子どもながらに不思議に思った。

「どうして必要でない商品をみんな買うんだろう?」と。



大人になって、私が実家に帰省すると、

毎日、店番をする母に話をしにくる人がやってくる。

その人たちは必ずそばにある椅子に腰かけて。

それも昔ながらのご近所さんではなく、毎回私の知らない人たち。

その場面を見るたびに、 みなさんは『母と会話することはかけがえのない様子。』

でも母は、そんなふうに思ってない様子で

編み物をしながら話を流し聴いている感じ。

“みんなが勝手に来て話していく” ぐらいに思っていそうでした。



また、

店の前を誰かが通ると声をかける 「どこに行くの?気をつけてな」

小学校の登下校の時間には店の前に座って、子ども達に声を掛ける。

返事が返ってこようとこなくでも、おかまいなしに。

みんなに声を掛ける。



いつも会社帰りに必ずよってくれるお客様が来ない時は

「もう10分だけ店をあけておく。しまってたら困るだろうから」 などと、相手からお願いされていないのにしていたらしい。



そんな母の話をした時

「その気質はあなたが引き継いでいるんですね」


と言ってくださった人がいて、

私がついおっせかいを焼いてしまうことが腑に落ちた。


おせっかいは母から受け継いだ。




どおりで会社に入って希望していないのに教育担当になったり、 パートで入ったのに店長のサポートとして統括を任されたり、 マネージャー向けに接客術を指導することになったりしても、なぜかできてしまった。



どれもこれも母が自然にやっていたことがベースになっている。


母はいつもお客様のことを一番に考えていて、そこにはマニュアルなんてなくて。

それはコミュニケーションの天才だったからだと。




それを私が引き継いで、

今こうしてたくさんの方に関わることができている。



“おせっかい” は、母からの贈り物。




“おせっかい”という名の

「コミュニケーションの天才」という強みを存分に発揮して、

これからの人生を進むことに決めました。



まだまだ母のエピソードは尽きませんがこの辺で。

母のことを想うと心が波立ちます。

そこも大切にしていきます。



長文、お読みいただきありがとうございました。



2022年1月13日 61歳の誕生日に寄せて

唐木仁美





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Email: 1103karakiya@gmail.com

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